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CASE STUDY

写真:有楽製菓株式会社 豊橋夢工場

有楽製菓株式会社 豊橋夢工場
取締役生産技術本部長 高橋様

低燃費と質の高いサービスが導入の決め手。
省エネを意識した生産ラインに貢献

ブラックサンダーでおなじみの有楽製菓株式会社様。豊橋夢工場では、3本あるラインのうち2本で内外ヴィッカーズの製品をお使いいただいています。取締役生産技術本部長高橋様に、導入の決め手や現在の使い勝手等を伺いました。

写真:有楽製菓株式会社 豊橋夢工場

これまでの実績を加味し、豊橋夢工場で2台のオーブンを導入

――豊橋夢工場の主力商品を教えてください。

メインの商品はブラックサンダーをはじめとした焼き菓子とチョコレートの複合商品です。クッキーにチョコがかかっているものや、チョコケーキというスポンジ生地にチョコレートを掛けた商品もあります。

――ブラックサンダーもチョコケーキもコアなファンがいますね。

ありがとうございます。ブラックサンダーは、たびたびメディアでも取り上げられていますし、チョコケーキも、もう20年以上作っているのですが、多くの方にご愛顧いただいております。

――内外ヴィッカーズのオーブンをお使い頂いていますが、導入のきっかけは?

実は、内外ヴィッカーズとはもう40年ぐらいのおつきあいがあります。ここ豊橋夢工場を作る時に、これまでのメンテナンスの良さや実績を加味し、3本ある焼き菓子のラインのうち2本に内外ヴィッカーズのオーブンを入れました。

――使い心地はいかがでしょうか?

エネルギー効率や焼成レベルなど各段に良くなっていて、2本入れてよかったと思っています。もう7~8年使っていますが、使い心地はとてもいいです。何より国産という安心感があります。

――御社では海外メーカーのオーブンも導入されていますが、違いはどんなところにありますか?

いろいろな面で違いがありますね。
まず海外では、成形からオーブンまで一貫して作っているメーカーがほとんどだという背景があります。まあ、ビスケットはもともと海外のお菓子なので仕方ないですが…。国内のメーカーで組むとなると、たとえば内外ヴィッカーズのオーブンに、どこかのビスケットの成形ラインを足さなくてはいけません。そうなるとセットで購入できる海外メーカーのほうがイニシャルコストを安くおさえられる場合があるのです。
一方、海外製品のデメリットはメンテナンス面です。部品調達からして大変なので、購入時はリスクも一緒に買う覚悟が必要です。それこそ、ねじ1本に1ケ月待つこともありますからね。
汎用性を持たせたラインを作りたい時などは、やはり国内のメーカーがいいですね。成形工程の部分はもうあって、オーブンのみを組み合わせたいのであれば、断然、内外ヴィッカーズのオーブンを選びます。圧倒的な安心感がありますからね。

写真:有楽製菓株式会社 豊橋夢工場

新規導入にあたり断熱効果を高めるカスタマイズをリクエスト

――現在、お使いの2ラインについて簡単な説明をお願いします。

長さは25メートルで、800mm幅と1000mm幅です。どちらもスチールバンドで、ガスの直火タイプです。いろんな焼成方法がある中、内外ヴィッカーズのオーブンはバーナーに特徴がありますね。熱の代謝が良くエネルギーの消費量が低い、つまり低燃費のところが非常にありがたいです。

――導入にあたり、何か工夫されたところはありますか?

当社の商品の特徴は、いわば“ビスケットのスナック”。軽さを意識した商品です。普通のビスケットは口の中で溶けが遅いのですが当社の商品は溶けが早い。そのため、最初の焼成ゾーンは高温で焼きたいため、通常よりも断熱効果を高めてもらいたいとリクエストしました。断熱材をプラスするというカスタマイズですね。
技術営業の方は、当社を長く担当してくださっているため機械の状況まで理解をしてくれています。カスタマイズもスムーズに話が進みました。商品に合わせて作ってくれるので、扱いやすい所も内外ヴィッカーズを導入する理由です。

――断熱効果を高めた理由は?

エネルギーを大切にする、環境に対しての負荷を極力抑えたいというのが理由です。
オーブンはどうしても熱が逃げますから、断熱効果を高めることでオーブン使用時に出た熱を無駄にしないよう工夫してもらいました。
それに断熱性が悪いと、オーブンの熱が工場の建屋内の温度にも影響します。当然、部屋の温度が上がることによる空調負荷もかかります。
そのため、1台目導入時に工場内の壁の温度を測るなどして「じゃあこの次はこういう対策をしよう」と内外ヴィッカーズと相談した上で2台目を導入しました。

写真:有楽製菓株式会社 豊橋夢工場

大きなトラブル防止につながる、キメ細かいメンテナンスがありがたい

――メンテナンス面ではいかがでしょうか?

当社ではスチールバンドの交換を何年かに1度行います。以前の工場では別のメーカーさんとのおつきあいだったのですが、スチールバンドの交換のみの作業でした。
ところが、内外ヴィッカーズでは交換する際に総合的な点検もしてくれるので、スチールバンド以外に不具合がみつかることもあります。そういう事も想定してチェックをしてくれるので、メンテナンスの事前情報としてありがたいです。
やはり、突発的な不具合で何百万とかかってしまうのは避けたいですからね。もし、メンテナンスのだいたいの時期がわかれば、あらかじめ予算に計上しておけます。他にも安全対策などのアドバイスもいただけるので非常に助かりますね。

――これまで大きなトラブルなどはありましたか?

もう7~8年使用していますが、内外ヴィッカーズのオーブンに関してはまったくありませんね。
実は、先日、海外のオーブンでちょっとしたトラブルがあったのです。ガスを送るバルブ部分がプラスチック樹脂のギアで出来ていて、それが欠けてしまいました。「こんな所が欠けるの?」と驚きました。やはり、メンテナンスの面だけを考えると、海外製にはリスクがありますね。

――今後の要望をお聞かせください。

今、温室効果ガス削減をはじめ、エネルギー問題は世界的な課題です。環境に負荷をかけず、いかにエネルギーを少なく使えるかは当社にとっても大きな課題。効率のいい断熱性の高いオーブンの導入もそのひとつです。
内外ヴィッカーズのバーナーは、熱効率が上がるように工夫しているのもいいと感じます。今後は、オーブンだけの話しにとどまらず、工場全体の負荷を削減できるような製品をお願いできればいいなと思います。

――当社でも省エネ対策は大きな課題です。今後も研鑚に励みます。

よろしくお願いします。オーブンはどうしても熱が一緒に出てきてしまうし、排気もありますから。たとえば、排気の熱を循環させたりして何かに利用できるといいですね。聞いた話ですが、雪の多い工場では、工場まわりの融雪に排気熱を利用しているとか。
当社でも、オーブンの排気熱で温水を作るのに利用できないかなと、構想だけはあるのですが…。次の時は、そういうのも内外ヴィッカーズと一緒に考えて実現したいですね。

写真:宝製菓株式会社

宝製菓株式会社
工場長 根本様

初期のオーブンもいまだ健在。
品質&メンテナンスで、他社とは一線を画す存在です。

1946年創業の宝製菓株式会社様は、ビスケット製造一筋の老舗製菓会社です。内外ヴィッカーズが創業したころからのおつきあいで、横浜工場では3台のオーブンをお使いいただいています。その中で内外ヴィッカーズ製品の使い心地やサービス面の評価などを、工場長の根本様に伺いました。

写真:宝製菓株式会社

40年以上のおつきあい。当社でオーブンと言えば内外ヴィッカーズです

――ここ横浜工場ではどんな製品を作っているのですか?

作っている商品は、ニューハイミックスなどで、クリームサンドビスケットといってビスケットの間にクリームをサンドしている商品です。1日にだいたい20~30トンを焼きあげています。

――そういった製品を作るのに内外ヴィッカーズのオーブンを使っていらっしゃるのですか?

はい、現在、内外ヴィッカーズのオーブンは3台あります。
1号オーブンは長さ43mのヘビーメッシュオーブン、2号オーブンは、ライトメッシュオーブンで、長さは50mですね。そして、3号オーブンが長さ 45mのライトメッシュオーブンです。幅は、1、2号オーブンが800mm、3号が1,000mmです。

――導入したきっかけは?

内外ヴィッカーズとおつきあいが始まったのはかなり古く、40年以上前だと聞いています。当時、弊社は電気オーブンを使用していましたが、ガスオーブンに変更することになり、内外ヴィッカーズの製品を導入したそうです。
実は、当時導入したオーブンは今も現役ですよ。確か内外ヴィッカーズの初号機だと聞いています。

――それは、すごいですね。電気からガスオーブンに変更した理由は?

まず、焼成に炎を使いたかったためです。また、ガスのほうがコストダウンかつ省エネになることも大きい理由ですね。以来、当社ではオーブンといえば内外ヴィッカーズです。

写真:宝製菓株式会社

宝製菓の味に内外ヴィッカーズのオーブンが果たす役割は大きい

――40年以上使っているということで、メンテナンスはどのように?

当社だけでは手がまわらないため、最近、内外ヴィッカーズに大がかりなメンテナンスをお願いしています。
先代の社長の口癖が「オーブンが変わると味が変わってしまうから気をつけなくちゃいけない」。また、「うちのビスケットの味は、今のオーブンからできているんだ」ともおっしゃっていたので、内外ヴィッカーズのオーブンに愛着を感じている社員は多いと思います。

――それは光栄です。歴史を感じるお話ですね。

年月とともに機械を扱う人間は変わっていきますので、“伝える”ことは大切です。
基本操作は教えられても、火加減など感覚的な部分は教えるのが難しいしマニュアル化することもできません。日々、現場で経験し覚えていくしかありません。そのためにも内外ヴィッカーズのキメ細かいメンテナンスサービスがありがたいですね。

――大がかりなメンテナンスを行ったということですが、いかがでしたか?

やはり電気系統でいくつか修理が必要でした。ある不具合を依頼したことで、別の不具合が新たにみつかったりすることもあり、内外ヴィッカーズと相談しながら進めました。メンテナンスの計画を立てた上で行ったのでスムーズに行ったと思います。

――不具合はどのようなものだったのですか?

たとえば、排気具合をみる装置があるのですが、これまでいろいろな人間が関わり、各々のやり方で行っていたため、効率の悪いやり方になっていたようなのです。今回、内外ヴィッカーズに見てもらったことで効率アップできました。内外ヴィッカーズは、知識&経験があるのでいろいろなケースに対応してくれますね。

――40年も経っているオーブンだと、メンテナンスが大変なのでは?

本当はメンテナンスを継続的にやっていればよかったのでしょうが、少し空いてしまって…。古いこともあり不具合が目立ちました。一度にすべて直すことは難しいため、安全に関わることから優先してやりました。

写真:宝製菓株式会社

信頼関係の下、かゆいところに手が届くメンテナンスサービスを提供

――内外ヴィッカーズのサービスは他社と比較していかがですか?

当社のことを熟知しており、日頃からさまざまな相談をできる信頼関係があるため、何かあった時にも、電話で伝えるだけで「ああ、あそこですね」と話が通じるので非常にやりやすいです。
また、「ここを直すなら、ここもやったほうがいいですよ」といった、率直なアドバイスをいただけるのもありがたい。せっかく修理したのに、また同じようなことで直すのはもったいないですからね。ある箇所に不具合がおこると、次はここだなと経験値でわかっているので、経済的にも効率的にも、なるべく無駄がない、当社の事情に合わせたメンテナンス計画を考えてくれます。

――これまでにラインをとめるような不具合はありましたか?

ないですね。なんとか土日で済ませられる方法を考えてくれます。
他のメーカーさんだと、見積もりを依頼すると、見積もりだけ返ってくることが多いんですけど、内外ヴィッカーズは直接、技術営業の方が説明にきてくれます。そのため、直接話ができるので安心感が大きいです。フットワークの良さでは、他の機械メーカーさんとは一線を画していますね。

――最後に、今後の要望があればお聞かせください。

やはり、オーブンの入れ替えは視野にあります。全部は難しいので、どういうプランでやっていくかは今後の課題です。その時、新しいものと古いものとのミックスが、上手くできるかが当社としては大事なポイントになってくると思います。
新しいものにしたらどんなことができるのか、今あるものをどう使っていくのか。そういったことも、いろいろご相談に乗っていただければと思います。

写真:イトウ製菓株式会社 第二工場

イトウ製菓株式会社
第一工場 飯田様
第二工場 根﨑様、清水様

ラインの省力化を実現する高い生産性と迅速なメンテナンスを高く評価しています。

内外ヴィッカーズのオーブンを長きに渡り導入していただいているイトウ製菓株式会社樣。第一工場の飯田様、第二工場の根﨑様、清水様に内外ヴィッカーズのオーブンの使い勝手やサービスについて伺いました。

写真:イトウ製菓株式会社 第二工場

クッキー・ビスケットの専業メーカーを支えるトンネルオーブン

――イトウ製菓樣では創業以来、品質の高い商品を作り続けていらっしゃいますね?

当社は1952年創業のクッキー・ビスケットの専業メーカーです。
実は、クッキーとビスケットを区別しているのは日本国内だけなのです。アメリカではクッキー、ヨーロッパではビスケットと呼称しています。日本では、糖分と脂肪分の合計含有率が40%以上含まれているものがクッキーと呼ぶ定義があります。40%未満だとビスケットと呼んでいます。
当社は、このクッキー・ビスケットに特化し、皆さまに長く愛される製品を提供してきました。そんな当社の製造ラインの一旦を担ってくれているのが内外ヴィッカーズのトンネルオーブンです。

――内外ヴィッカーズのオーブンはどの工程で使っていますか?

クッキー・ビスケットの製造工程は、まず配合(仕込み)、ミキシング(混合)、そして成形して焼成します。この焼成工程で使用していて、水分を抜くことと焼き色をつけることが目的です。
当社の製品には、乾燥させるタイプといわゆる炎で焼き目をつけるタイプがあるのですが、内外ヴィッカーズのオーブンは、熱源がガスで炎があるため焼き目をつけやすいのです。さらに火力も十分に確保されているので生産のスピードが速く非常に効率的です。
数十年前までは電気を熱源としたオーブンも使っていましたが、ラインを新設するにあたり内外ヴィッカーズのガスオーブンを導入したところ生産性がアップしました。それ以来、内外ヴィッカーズのガスオーブンを頼っています。

――製品のクオリティを保つためには内外ヴィッカーズのオーブンがベストだということですね。

そうです。内外ヴィッカーズのオーブンを使い始めてから長いのですが、製品コンセプトの条件を満たし品質を一定に保つためには欠かせない存在です。

写真:イトウ製菓株式会社 第二工場

群を抜くアフターサービスの良さ。突発的修理にも迅速に対応してくれます

――クオリティ以外での導入メリットはありましたか?

以前、第一工場で2本あったラインを1本に集約したのですが、内外ヴィッカーズのオーブンの高い生産性があったからこそできたと思います。

――1本で2本分の生産量を生み出さなければならなかったのですね。

はい、そうです。それにより2本のラインをまわすための人員が1ライン分の人員まで削減でき、人材面でもコンパクトにすることができました。

――人材面でも効率をあげられたわけですね。アフターサービスの面ではいかがですか?

新しく何かを追加するとか、突発的な修理が発生した時でも、迅速な対応をしてくれます。たとえば、ここを直したいというと、その日のうちに相談に来てくれ、何かを修理するとなったときも、最初から最後まで普通は1カ月位かかると思うのですが、内外ヴィッカーズでは2週間でやってくれたことがあります。これまでトラブルが発生して何か修理が必要になったことがありますが、内外ヴィッカーズに依頼をして当社のラインがストップしたことは一度もないですね。
さまざまなサービスがあると思うのですが、当社にとっては迅速な対応が一番ありがたいです。以前、海外製のオーブンを使用していたのですが、アフターサービスに関しては段違いの満足度です。コスト面でも満足しています。無理な相談にも誠心誠意臨んでくれるところは高く評価しています。

――海外製品と比べたとき、サービス面以外で違うことはありますか?

海外製品では、ちょっとしたことがストレスになるということがありましたね。たとえば、小さなトラブルなら自分たちで対応するのですが、海外製品は、ヨコ向きにさしこむ箇所のねじ頭がマイナスだったりするのです。当然、ポロッと落としてしまうこともあります。「ここは、当然プラスのねじだろう」というジレンマはありましたね。

写真:イトウ製菓株式会社 第二工場

メンテナンスサービスも充実。メンテ情報も大いに役立ちます

――内外ヴィッカーズの製品を導入後に、大きなトラブルはありましたか?

以前オーブンのバーナーの火が不完全燃焼を起こしたことがあります。原因は内外ヴィッカーズの製品のせいではなくて、日頃の弊社のメンテナンスのやり方に問題があったことがわかりました。
この件で相談したところ、こちら側の不備にもかかわらずバーナーの修理依頼にも親身に対応してくれました。その上、メンテナンスや技術面でのアドバイスやレクチャーもしていただき、おかげで、工場全体の作業者のレベルアップにもつながりました。内外ヴィッカーズにはそういったプラスアルファの良さがあると感じています。

――日々のメンテナンスのしやすさはどうですか?

当社では、オーブンのベルトをスチール、ライトメッシュ、ヘビーメッシュの3種類使用しています。クッキーはスチールベルト、ビスケットとかクラッカーは強い火力を用いて短時間で焼き上げるのでメッシュ、という感じです。使い分けすることで製品製造の幅が広がったのですが、同時にメンテナンスも複雑になります。内外ヴィッカーズは、このメンテナンスサービスも充実していますね。
先日も技術営業の方にオーブンの焦げをとる方法を伺ったのですが、メンテナンスサイクルから簡単に掃除できる道具情報までキメ細かくアドバイスしてもらい、多いに助かりました。何年か前にも、オーブンの社内講習をやるために、まず内外ヴィッカーズで講習を受けてから現場に伝えようとしたことがあったのですが、そういった相談にも対応してもらえました。

写真:イトウ製菓株式会社 第二工場

大人向け、プレミア化する今どきのお菓子。新商品の相談で実現可能に

――イトウ製菓様から見て、近年のお菓子の動向はいかがですか?

やはり時代のニーズがありますね。始まりはビスケット 、そこからバターやチョコチップとかクッキーのラインナップが増えていって、そのうちクッキーとビスケットの割合はどんどん変わっていきクッキーが多くなりました。
しかし最近では、クッキーにもビスケットにも属さない新しいジャンルのお菓子が増えています。“手の込んだ焼き菓子”という言い方をしていますが、品名には焼き菓子と書かれている商品ですね。

――原料が違うのですか?

小麦や油脂類といったお菓子の基本原料は同じですが、高品質の小麦や油脂類を使っていたり、手のこんだ商品作りをしていたりするのが特徴です。

――ワンランク上の商品が増えてきたということでしょうか?

そうです。大人向けのプレミア感を打ちだしたものや、個包装などがトレンドです。たとえばプレッツェルというお菓子があります。元はドイツのお菓子で、ひも状の生地をゆるい結び目のような形にしたものです。
当社でも「プレッツェルサンドクラシックバニラ」という商品を出しています。プレッツェル生地を薄いビスケット状に再現して焼いたものにクリームではさんでいるのですが、焼成が難しいのです。ここでも内外ヴィッカーズのオーブンが活躍してくれています。

――少子化によりお菓子のニーズも変化してきているのですね。

そうです。最近のビスケット・クッキー市場はターゲットが高年齢化してビスケットを食べる人が減ってきています。でも新しい商品を出していかなければなりません。当社の製品で、40分ぐらい下生地を焼いた後にアーモンドをスライスしたものをトッピングしてさらに焼く製品があるのですが、焼成がとても難しい。その時も、“焼きのプロ”である内外ヴィッカーズのアドバイスをもらいました。おかげで、そういった新しい商品にも対応できています。
さらに近年の商品は品質基準も高いので、そういった点でも相談&意見をいただきながら、生産性の向上をめざしていきたいと思っています。

――今後、内外ヴィッカーズの製品に対して、要望はありますか?

弊社に導入されているトンネルオーブンのラインは、同一商品の大量生産を目的としたラインになります。1種類のものを大量に作ることは得意なのですが、お客様からアソート包装したものというニーズがでており、できれば1本のトンネルオーブンの中で同時に2,3種類焼けるものがあるといいですね。内外ヴィッカーズのバーナーですと、炎口を3分割して炎の強弱を5パターンに設定できる3セクションのものがありますが、同時に3つの温度で焼くことができるような製品がほしいです。 最近のビスケット市場はターゲットが高年齢化して食べる人が減ってきています。お客様のニーズに合わせた商品作りのため、ぜひともお願いしたいですね。

写真:株式会社ヨックモッククレア 日光工場

株式会社ヨックモッククレア
生産技術部 崎浜様
日光工場  岡村様

新製品開発にあたり内外ヴィッカーズに相談。
デリケートな生地を焼き上げヒット商品に

ヨックモックグループの製造部門を担う株式会社ヨックモッククレア様。日光工場を基幹に、鹿沼工場、東京工場がありますが、内外ヴィッカーズのオーブンは、日光で5基、東京では1基稼働しており、主力商品「シガール」においては専用カスタマイズしたオーブンを導入いただいております。当時のことも交え、本社生産技術部 部長 崎浜様と日光工場設備課 主任 岡村様に導入の経緯などを伺いました。

写真:株式会社ヨックモッククレア 日光工場

主力製品開発にあたり内外ヴィッカーズに相談。こだわりに応えてオーブンをカスタマイズ

――ヨックモッククレア様には、日光工場、鹿沼工場、東京工場がありますね?

はい。ここ日光には本社機能と日光工場が併設されております。同じく栃木県には鹿沼工場があり東京・梅島に東京工場があります。内外ヴィッカーズのオーブンは、日光工場に5基、東京に1基あります。日光工場ができるまでは、今市工場があったのですが、老朽化が著しくなり日光工場を建てました。

――内外ヴィッカーズ製品を多く導入してくださっていますが、導入の経緯を教えてください。

弊社の主力製品に「シガール」というロングラン商品のクッキーがあるのですが、この製品は販売当初三越や伊勢丹で、朝、行列になっていました。そのため、初めは固定窯で焼いていたのですが大量生産をしなくてはならなくなり、トンネルオーブンを導入するに至りました。
そこで、内外ヴィッカーズの当時の担当者に相談し、味はもちろん、焼き色、食感など、当社のこだわりに応じて、バーナーの位置を変え、給排気の微調整も行いながら、いろいろ工夫をしてくれたそうです。

――「シガール」用に内外ヴィッカーズのオーブンを導入したということですか?

「シガール」は、ラング・ド・シャ生地のクッキーで、独特の焼き加減を出すには、改良を重ねてきた独自のオーブンでなくては出せないと思います。
日光工場を設立した当時の弊社社長も、「シガールは簡単には焼けないので、過去にヨックモックで培ったノウハウを生かしたオーブンが必要」と申しておりました。

写真:株式会社ヨックモッククレア 日光工場

40年以上高品質を維持する内外ヴィッカーズオーブンのノウハウと技術を高く評価

――他社と比べて、内外ヴィッカーズ製品の使い心地はいかがですか?

他社と比べても、ずっと高品質の製品を維持してくれる内外ヴィッカーズのオーブンはとても信頼しています。
当社の製品はすごくデリケートな生地なので、電子レンジのように何キロワットで再現できるというような商品ではないのですが、40年以上品質を保って作り続けられているので、これはお互いに技術やノウハウを共有出来たからだと思います。

――導入時のエピソードなどはありますか?

日光工場を建てた時、オーブンの選定はノウハウを持っているオーブンメーカーでなければダメだろうという意見がありました。そこで、川口にある内外ヴィッカーズの工場にオーブンを1基、先行で製作して、生地やオーブンなどの現場担当など色々なメンバーが泊まりがけで行き、稼働の可否や、ヨックモックの製品として問題はないかを検証しました。
そして当社と内外ヴィッカーズとで、給排気や火力などの微調整も繰り返し行いました。各調整については強くても弱くても駄目で、その辺りを試行錯誤しながら、一番いいだろうというところまで持っていったのです。また、夏の暑い時期に何度もテストを繰り返し行い、安定した生地を焼くために、室温や機械温度に気を配りながらいろいろ苦労もありました。
現在のオーブンは、当社の商品を焼くために、いろいろ考えられた、いわばオリジナルオーブン。特別製だと思っています。

――何かトラブルがあった場合、内外ヴィッカーズのサービスマンについてはどうですか?

当社の担当をしてくださる方は、導入時から関わっている方で、当社のことを非常によく分かっているので、電話でアドバイスしてもらうことが多いですね。
よく、ちょっとしたアドバイスをもらいたくて電話したのに、対応が遅く、時間がかかるメーカーさんもある中、内外ヴィッカーズは、対応が非常に早く、すぐに解決できて助かります。大きなトラブルはこれまでにありませんし、万が一の修理の場合も、素早く対応してくれます。

写真:株式会社ヨックモッククレア 日光工場

日光工場導入時には、雷で電源が落ちないように対策を依頼

――メンテナンス面はいかがですか?

ここ日光は季節変動が大きいので、寒かったり暑かったり、湿度が高いというのがオーブンに微妙に影響するため調整が必要です。また、季節の変わり目は、気圧の変動でガスの混合比率が変わるので、これも微妙な調節が必要です。

――なるほど。環境に合わせて調整が必要なのですね。環境は激しく変化するのですか?

そうですね。この地域は外気温が夏場は+30℃以上まで上がり、冬場は-10℃近くまで下がるので変動は激しいと思います。また、環境の変化に加えて、北関東は「雷の通り道」と言われていて、ここ日光工場も、雷がぬけるルートにあたることがあります。実は雷による停電は深刻です。27mもあるトンネルオーブンが瞬時停電で止まってしまうと、その時点で炉の中に入っている生地はすべて捨てることになります。

――それは深刻ですね。何か対策を?

はい。日光工場では、雷程度の瞬時停電で止まらないように改良してもらいました。バックアップシステムがあるので安心です。今市工場の時はやっていなかったので、雷が原因で電流が不安定になりオーブンが止まったりしたこともあります。

――最後に何か今後の要望はありますか?

オペレーターの手間を省力化したいですね。製品の品質を守るためには、オーブンの性能だけでなく、人の目も非常に重要なんです。今は、オペレーターが監視して、焼き色が強くなったら火を弱くしようとか、人が制御をしています。ここに関する手間を自動で制御できたら、ものすごい省力化になりますね。
今はどこでも人手不足で技術の継承もなかなか薄くなっているのが現状です。だから、これまで以上に機械がカバーしていかなくては駄目だと思うんです。そんな製品ができることを期待しています。

写真:ヤマザキビスケット株式会社 古河事業所

ヤマザキビスケット株式会社
古河事業所 工務御担当者様

導入後のメンテナンスから空調相談まで。
高い技術力で支え続けてくれる頼もしき存在

2016年9月に社名を変更したヤマザキビスケット株式会社様。ロングセラーのチップスターやルヴァンシリーズなどさまざまなスナック菓子やビスケットを製造されています。長年ご愛顧いただいており、商品全般の焙焼工程に内外ヴィッカーズの製品を導入されています。古河事業所工務課係長にお話を伺いました。

写真:ヤマザキビスケット株式会社 古河事業所

築きあげた信頼関係があるから「内外ヴィッカーズに相談してみるか」が当たり前に

――この事業所の主力商品は何でしょうか?

クラッカーのルヴァンシリーズ、スナック菓子のチップスター、エアリアル、そしてビスケットのノアールなどです。
余談ですが、「ルヴァン」という商品名の由来はフランス語で「発酵種」という意味です。

――内外ヴィッカーズの製品はどのようにお使いになっているのですか?

内外ヴィッカーズとは、かなり長いおつきあいになります。私が入社する前からのおつきあいがあり、私にとっては内外ヴィッカーズの設備は“あって当たり前”という感じです。
主に使用しているのは焙焼部分です。この工場で作っている商品の、焼く・揚げるといった工程に関わっています。

――長くご愛顧してくださる理由は何でしょうか?

これまでの実績により、高い信頼関係が築かれているからです。オーブンやフライヤー等の設備関係は、内外ヴィッカーズに任せれば大丈夫という安心感があり、何かあったら相談できる、弊社にとってなくてはならない存在です。

――競合他社もある中、どのような点を評価して頂いていますか?

弊社にあった仕様を熟知されている所です。それ故設置からメンテナンスまで、かゆい所に手が届くような、弊社にとって最善・最良のサービスを提供していただいています。
また、一方的に内外ヴィッカーズの提案だけで行うのではなく、現場の意見も反映してくれるので、弊社にとって一番使い勝手のいいものが作れることです。現場からの不満もなく、さらに信頼関係が築かれるのだと思います。

写真:ヤマザキビスケット株式会社 古河事業所

手動を自動着火方式へアップグレード。効率化への貢献度は大きい

――具体的な例にはどのようなものがありますか?

自動着火方式へのアップグレードですね。オーブンには、何百本もバーナーがあるのですが、これまではコックをその都度手で開けていました。それを全部、自動で行えるようになりました。立ち上げ時間の短縮&効率化につながりました。

――メンテナンスのクオリティはどうでしょうか?

内外ヴィッカーズは、とにかく事前の段取りが良いです。我々の仕事はよく段取り8割といいますが、段取りが良いおかげで短い日数でしっかり調整していただいています。
バーナーの整備も燃焼効率と製品の品質を保つため、約10年に1回程度、順々にやっていくのですが、内外ヴィッカーズの場合、期日の1、2日前に余裕をもって終わらせてくれます。ギリギリの終了だと、もしイレギュラーなことがあった場合大変なことになるので、余裕をもって終わらせてくれるのはありがたいですね。おかげさまで大きな事故もありませんし、日々安全に稼働ができています。

――メンテナンスに関して、何かエピソードはありますか?

当社には長いバンドオーブンがあるのですが、一度、バンドをひっぱる大きなシリンダーが1個壊れてしまったことがあります。
自分たちで修理をすると日数もかかるトラブルでした。その時も、内外ヴィッカーズが過去に他社で同様な対応をしたことがあり、その時の応急処置を提案してくれました。交換部品が納品されるまで、その方法でなんとか対応できて助かったことがありました。

――ちなみに、他社設備のメンテナンスはどのような感じなのですか?

イレギュラー対応への融通がきかないという印象がありますね。ちょっとしたことでも「それは見積もり外なので対応が難しい」とか、時間もシビアな対応ですが、内外ヴィッカーズでは、時間でやるのではなく、きっちり終わるまでやってくれますから助かります。ただ、それができるのは、技術力が確立しているから可能なのだと改めて思いますね。

写真:ヤマザキビスケット株式会社 古河事業所

メンテナンスはもちろん、製品情報のアナウンスも的確で導入後も安心

――設備面で困ったことはありますか?

他社設備は、部品の欠品情報や製造中止の情報などの入手にタイムラグが生じがちです。
内外ヴィッカーズならタイムリーな情報提供のみならず、たとえば、製造中止になる時などは、後継機種にするには何が必要かというところまでアナウンスしてくれますから導入後も安心です。

――省エネや環境面への配慮はどうでしょうか?

今、省エネは当たり前なので新規導入時は必ず考慮します。
弊社には室内で蒸気を使う工程があるのですが、夏場は蒸気がこもって高温になるため、改善したい旨を内外ヴィッカーズに相談しました。結果、給気と排気のバランスをよくすることで、風の流れを作り、問題を解決できました。

――空調設備でも貢献できたのは嬉しいですね。

いろいろ相談していますよ。前述したように、内外ヴィッカーズのオーブンは、弊社にとってあって当たり前、動いていて当然のことになっています。でも、当たり前のことって影の努力があってこそなんですよね。内外ヴィッカーズには、日々のメンテナンスのしやすさや、実際トラブルがあったときのサポートの手厚さ、燃焼設備などの生産性の向上のための相談など、さまざまな努力をしていただいていると思います。

――ヤマザキビスケット様にとって内外ヴィッカーズはどのようなイメージですか?

燃焼設備、空調設備に強いというイメージを持っています。それらの設備で困った時は、内外ヴィッカーズに相談しようというのが自然な流れですね。

――何か要望などがありましたら。

個人的な意見ですが、IoTやAIといった技術を使って、遠隔で管理ができないかと思います。たとえば、人間の目だけでは行き届かない部分を機械で管理できれば、突発事故への対応や効率化という点だけでなく安全面でも向上が図れるのではと感じます。

――今後も製品づくりで、内外ヴィッカーズに要望を出していきたいと?

もちろんです。新商品を開発し生産する際、全く新しい商品はもちろん、食感ひとつ改良するとしてもオーブンやフライヤーの改造が必要になりますからね。
その時、たとえ試行錯誤を繰り返したとしても、内外ヴィッカーズならとことん付き合ってくれると確信しています。